コラム

債務整理手続における退職金の扱い

まず、債務整理のなかでも任意整理においては退職金に一切影響はありません。

他方、破産手続では影響があります。

①退職金を受給した後に破産をする場合

現金・預貯金扱いになりますから,自由財産拡張制度利用で総資産99万円までは維持できますが,それ以上の金額については債権者への配当等に回ってしまいます。つまり,最大でも 受給した退職金-99万円までしか維持できません。そもそも多額の退職金があり負債を上回っている場合は支払不能とはいえず、破産ではなくそもそも退職金で支払いをするしかないでしょう。

②退職前に破産をする場合

退職をする必要はありませんし、退職金自体が処分されることはありません。しかし,退職金の8分の1が破産財団として扱われます。その具体的影響ですが,まず,退職金の8分の1の金額が20万円を超える場合は管財事件となり,弁護士費用とは他に予納金20万円を負担する必要があります。そして,退職金の8分の1とその他の資産の合計額が99万円以内に収まる場合は特に問題はないですが,99万円を超える限りで弁護士費用・予納金の他に相談者様が裁判所から選任される管財人に積み立てをする必要があります。積立金額は退職金の8分の1やその他の資産の合計額-99万円ということになります。

③退職間近で破産をする場合

上記②で退職金の8分の1が破産財団になると述べましたが,退職間近である場合は裁判所の判断で退職金の4分の1が破産財団とされる場合があります。この退職間近がいつなのかは明確な基準がなく裁判所次第なところがあります。

上記のような退職金の積立額の負担が過大な場合は個人再生の選択を検討することになっていきます。個人再生手続の場合、退職金の積立は不要ですが、退職金の8分の1額+その他の資産額が多額である場合はその総額を3年から5年で支払っていくことになります(清算価値保障原則)。