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飲食業者の会社・法人破産で考えるべき事項

まず、在庫の把握と管理に注意が必要です。どうしても食材は生鮮品が多く,消費期限があります。破産手続開始前に可能な限り使い切るか,適切な方法で処分する必要があります。また,アルコール類などの在庫も正確に把握し,破産管財人への引き継ぎ準備を進めなければなりません。単純に合理的理由なく廃棄してしまったり無償で譲渡したりする不適切な処分は後々問題となる可能性がありますから,逐一弁護士と相談しながら進めましょう。

次に、店舗の賃貸借契約の整理にも注意が必要です。通常,賃貸借契約には解約予告期間が定められていますから,その間の賃料も発生しますし,原状回復義務に伴う高額な費用が発生するケースも少なくありません。敷金や保証金の返還についても,原状回復の範囲・内容と共に,賃貸人との交渉が必要となります。

そして,アルバイトを含む従業員の対応も考えなければなりません。破産をする場合は原則全員解雇になりますが,解雇の時期・未払給与・解雇予告手当の精算を法的に適切に行う必要があります。更に,従業員の社会保険の各種切替え手続や離職票の交付など解雇に応じて必要となる事務処理が必要となっていきます。

仕入れ先との取引関係を整理しておく必要もあります。食材や飲料,消耗品などの仕入れ先に対する未払金がある場合は受任通知を送付し,その支払を停止する必要があります。特定の仕入れ先だけを優先して支払うことは,破産法上の「否認」の対象となる可能性があり,のちに支払った金額の返還を求められる場合があります。

破産を検討される場合,上記のような点を考慮しながら,資金繰りが限界に達する前に,早めに閉店の準備を始めることが重要です。廃業準備をしながら,現金をできる限り手元に残し,破産申立費用や未払給与の支払いに充てられるように弁護士に相談しながら計画的に進めることが肝要です。破産手続を進めるためには,弁護士費用や裁判所に納める予納金(主に破産管財人の報酬など)が必要です。最低でも百万円単位の現預金がないとそもそも破産手続を行うことすらできません。経営者の手元資金や事業の売上金などを適切に管理し,破産費用を捻出できるように準備していかなければなりません。

破産をする会社に未完成の工事が残っている場合

建設・土木・塗装・外構・太陽光パネル設置・解体業者が法人・会社破産をする場合,破産をする時点で請け負っていた工事がすべて完成していれば問題ないのですが,破産をする時点で未完成・途中の工事が残っている場合に問題は生じるのでしょうか。

破産手続において未完成の工事部分を今後どうしていくのかが問題となっていきます。破産開始決定が裁判所より出されると管財人が選任されます。この管財人が未完成の工事をどうするのか,具体的には工事を継続するのか・請負契約を解除して工事を終了させるのかという決定権を持ちます(破産法53条1項)。破産管財人がどのように決定していくかですが,建設会社等がどこまで工事をしたのか進捗を確認し,どの程度未完成なのか,工事に要する材料や器具・工事に携わる人員を現実的に準備して工事の継続が可能なのか,工事を継続した場合にかかる時間・コストと工事継続により得られる報酬の金額を考慮して,工事を継続するかどうかを決定していく形になります。

工事を継続するという判断を管財人がした場合,裁判所の許可がまずは必要となります。裁判所の許可が出たときに,管財人は,破産会社の従業員に破産財団(破産時点の会社の資産)から給与を払ったり,下請け業者に外注費を破産財団から支払って工事を完成させていくことになります。なお,下請け会社に注文者と直接契約をしてもらい,工事を続行するといった調整がなされることが多いような気がします。

ほとんどのケースでは破産管財人は工事の請負契約の解除を選択することになるかと思います。このような選択を取った場合,破産法54条2項により,工事の注文者は前払金を支払っていればその返金を要求してくるケースがあります。また,工事が未完成のまま契約解除になったことで損害が生じれば,注文者側は損害賠償請求を行使できる可能性があります。他方,建設会社等が途中まで工事を完成させててそれ自体に価値が認められるような場合,破産管財人は出来高部分の報酬を工事の注文者にできる可能性があります。破産管財人がこの報酬請求を注文者にしていく場合,注文者側としては前払金の返金・損害賠償請求をしたり,報酬の金額の正当性につきクレームをいってくる可能性があります。多くのケースでは交渉を進めて注文者側と和解で解決していく形になるかと思います。

ここまで述べたとおり,未完成の工事がある場合,管財人としては注文者側との交渉等少なくはない負担がかかる可能性があります。ここで建設業者等に生じる具体的な影響を述べていきたいと思いますが,未完成の工事数が多ければ多いほど管財人の労力も多大になっていきますので,破産申立ての際に準備すべき費用である予納金の金額が通常のケースと比較して高額になっていく可能性があります。当然ながら破産をする場合,注文者に迷惑がかかりますし,下請け業者にも迷惑がかかります。ですので,理想は仕掛中の工事はできるだけ完成させてから、破産手続を開始させることが望ましいと言えます。やむをえず,未完成の工事がある状態で破産申立てをする場合でも,未完成部分の工事の有無や内容,規模,完成の程度などを確認できる資料や情報をあらかじめ整理しておく必要があります。

建設・土木・塗装・太陽光パネル設置・解体業者が法人・会社破産をする場合,色々考えるべきポイントがありますので,一度弁護士との無料相談をご利用された方がいいです。

会社・法人を破産・倒産させる場合の税金の扱い

株式会社や合同会社を破産させる場合,銀行からの借入・日本政策金融公庫からの借入・信用金庫からの借入・クレジットカードの支払とともに法人は税金の支払いもすべて免除されます。自己破産により法人格自体が消滅するからです。ここでいう税金には,法人税・消費税・源泉所得税や社会保険料(厚生年金保険料・労働保険等)が含まれます。

では,会社・法人の代表者は税金の支払いを免れるのでしょうか。

株式会社の場合は,法人が滞納していた税金を代表者が負担することは原則ありません。しかし,代表者が税務署に対して納税保証をしている場合は代表者は法人が滞納した税金を支払う義務を負います。代表者個人が破産をする場合,税金は非免責債権ですので,税金を支払う義務は依然として残る形になります。税金の滞納をする時点で事業継続が困難になりつつあるので,代表者は納税保証せずに会社・法人の破産・倒産について弁護士に早期に相談された方がいいです。

他方,合同会社の場合,代表者は法人の債務につき無限責任を負いますので,法人が税金を滞納している場合に法人が破産をしたとしても,代表者個人はその滞納した税金を支払わなければなりません。代表者個人の破産で税金の支払義務が免除されないのは前述のとおりです。

給料差押えをされたときの自己破産・個人再生

多額の借金があってそれを払えずに放置した場合,借入先は裁判を起こして判決を取得して給料の差押えをしてくることがあります。給料の差押えがされると,勤務先に裁判所からの通知が届きます。給料の差押えがされた場合,勤務先は,通常は賞与も含めて手取り金額の4分の1をご自身ではなく債権者に直接支払う形になります。婚姻費用や養育費の遅滞での給与差押えの場合,最大手取り金額の2分の1をご自身ではなく配偶者側に勤務先は支払う形になります。このように給料の差押えがされると借金の返済どころか生活費の支払も不安定な状況になってしまいます。このような状況になると,借金の対応は原則自己破産,住宅ローンがあって住宅を維持したいような例外的な場合は個人再生を検討する形になります。

1 自己破産の場合

⑴同時廃止手続の場合

給料の差押えがされた場合,この状況を打破するためには一刻も早く裁判所に自己破産の申立てをして破産開始決定を裁判所に出してもらう必要があります。自己破産には同時廃止手続と管財手続と二種類ありますが,どちらの手続になるかでこの後の流れが変わります。借入の事情に浪費やギャンブル等の悪質性がなく,かつ,目ぼしい資産がない場合は同時廃止手続となります。同時廃止手続で破産開始決定が出た場合は,給与差押え手続は中止となります。この中止によって,給与の手取りの4分の1が債権者に取得されることが一旦ストップになります。他方,ご自身のもとにこの手取りの4分の1がすぐに戻るわけではなく,免責許可決定があるまで勤務先の方で手取りの4分の1の金額を保管する形になります。破産開始決定から約3カ月後に出るであろう免責許可決定により給料差押手続は失効して,勤務先に保管されていたご自身の手元に手取の4分の1の金額が戻る形となりますし,以降は手取りがフルで支払われる形となります。

⑵管財事件の場合

借入の事情にギャンブルや浪費等の悪質な事情がある場合や解約返戻金・自己都合退職したときの退職金の8分の1・自動車の価値が20万円を超えるような場合は管財事件として進行します。管財事件となった場合,裁判所より借入や財産の事情を調査する管財人が選任されます。給与差押えがなされているときは,この管財人が給料の差押えの取消手続をする形となります。この取消手続がされると,今後の手取りの4分の1の給料は債権者ではなくご自身に払われる形となります。ですので,給料差押えがされているときは早急に自己破産の申立てをして破産開始決定を裁判所に出してもらって管財人を選任してもらう必要があります。ただ,上記で述べた同時廃止事件と異なり,管財事件となるような事件の場合,10万から20万円の予納金を管財人に支払える状態であることが必要です。借入の事情のみが問題となるケースでは予納金は10万円,その他の場合の予納金は20万円となります。つまり,この予納金の捻出が可能でないと破産の申立てができず,すぐに給料の差押えへの対処ができない形になってしまいます。管財事件になってしまうようなケースではこの予納金の捻出が最重要となるかと思います。

2 個人再生の場合

住宅ローン有の住宅の維持をしたい場合・自身の職業が警備員や運転代行業や生命保険募集人等の制限職種である場合等で自己破産の選択ができない場合は個人再生をしていく形になります。個人再生を検討するような場合,給料差押えの対処をするにあたって,やはり破産と同様,早急に裁判所に個人再生の申立てをして再生の開始決定を出してもらう必要があります。具体的な流れですが,個人再生の申立て後即座に,裁判所に給料差押えの中止の申立てをする形となります。この中止によって,給与の手取りの4分の1が債権者に取得されることが一旦ストップになります。他方,ご自身のもとにこの手取りの4分の1がすぐに戻るわけではなく,再生の認可決定があるまで勤務先の方で手取りの4分の1の金額を保管する形になります。そして,再生の開始決定があった後,裁判所に給料差押えの取消の申立てをする形となります。これが裁判所に認められれば,保管されていた給料の手取りの4分の1の金額がご自身のもとに戻る形となりますし,以降は手取りがフルに支払われる形となります。ただ,個人再生の開始決定を裁判所に出してもらうためには,手取りのフルの金額が支給された場合に減縮された借入金の返済が可能といえる等のいくつかの条件を満たしていく必要があります。

3 早期の裁判所への申立てが必要

給料の差押えがされたとき,早期に自己破産等の申立てをしなければ差押えの状況が延々と続く形となります。そして,自己破産等の申立てをするためには戸籍謄本・住民票・給与明細書・源泉徴収票・通帳等の資料を迅速に収集して裁判所に提出する必要があります。破産の管財事件の場合は予納金をどのように準備するかという点も重要となります。

4 そもそも給料差押えがされる前に行動することが重要

給料の差押えがされるためには,税金の滞納や養育費の件で公正証書を作成しているような場合を除けば,借入先(債権者)が裁判所に裁判を起こす必要があります。裁判を起こされると,裁判所からの通知が届くはずです(訴状が送達されてくるはずです)。この裁判所からの通知が届いたときに弁護士に相談してきちんと対応していれば,なかなかタイトなスケジュールにはなってしまいますが,給料が差押えされる前に適切な対応が取れます。給料の差押えがされると,裁判所からの通知が勤務先に届くので,借金の件が勤務先にも知られてしまいます。これが嫌であれば,裁判所から訴状が届いた段階で早急に弁護士に相談をすることが重要です。もっといえば,裁判を起こされる前に借入金の支払が難しいと感じたときに弁護士に相談していれば,もう少しゆとりをもって対応ができるはずです。

 

借金の返済・多重債務・自己破産・個人再生の相談は弁護士への無料相談をご利用いただければと思います。

会社の破産手続をする際の注意点

会社の資金繰りがうまくいかず,借入金の返済の見通しが立たなくなった場合,破産手続の検討が妥当な場合があります。

破産法上の破産ができるための要件としては,①決算書類である賃借対照表(BS)上債務超過であること,②損益計算書(PL)上損失が生じており(赤字),借入金につき支払不能と評価できることのいずれかになります。

では,破産を進めていくと決心した場合,何に気をつけなければならないでしょうか。

⑴ 破産手続費用を確保すること

破産手続をする際は弁護士に依頼する料金だけでなく裁判所に予納金というものを納める必要があります。会社の破産の場合はほぼ確実に管財人という者が裁判所より選任され,会社に 売却可能な財産がないかの調査・資産がある場合はそれを売却して債権者に配当する役割を管財人は担います。当然管財人はタダ働きをするわけにはいきませんので,管財人に報酬を支払う必要がありますが,その原資となるのが予納金となります。すなわち,予納金を支払うことができなければ管財人を選任できないので破産ができないということになります。したがって,破産をするにあたってもお金が重要となります。その予納金の金額ですが,会社が既に事業停止をしており資産もないことが資料上明らかで管財人の仕事量が少ないと裁判所に説明できる場合は仙台地裁の場合は20万から30万円で予納金は済みます。他方,会社が稼働中で資産もあり・相応の負債もあり・途中の工事もある等事案が複雑になるような場合は予納金は最低50万円は必要になり,会社が置かれた状況が複雑になる程予納金の金額は高額になります。このような場合の予納金の具体的な金額は破産を申立てする前に裁判所と事前協議して初めて分かりますが,初回相談で具体的な会社の状況をお聞きして大体の予納金額の見通しを説明させていただく形になります。この予納金の確保するための原資としては,相談後に入金が予定される売上金・保険解約返戻金・親族の援助金等が考えられます。

⑵ 労働者への対応

相談の時点で労働者を雇用している場合,その労働者の今後の処遇が問題になります。基本は破産の依頼をされたときから全労働者を原則即日解雇する形になります。労働者への状況説明や解雇の言い渡しは弁護士が対応する形になります。例外的に破産手続を円滑に進めるために会計担当者1人だけは雇用を継続した方がいい場合はあります。そして,今後の労働者の生活の保障のために失業保険を早期に受給できるように会社側としては即座に離職票の発行手続を進めてあげる必要があります。また,労働者に対して未払賃金がある場合は独立行政法人労働者健康安全機構の立替払制度を利用していく形になります。

⑶ 会社の預金口座に金員をいつまでも入れておかないこと

破産手続で重要なのは破産手続費用を確保することと先ほど言いました。また,債権者に平等に配当をしていくために会社の財産が奪われないようにすることも破産手続上重要です。その観点から,まず,気をつけなければならないのは税金関係です。国税徴収法に基づき税金の滞納があれば預金等を差し押さえすることが可能です。そして,借入先の銀行に預金がある場合も同様です。銀行は一定の要件により預金と借入金の相殺処理が可能だからです。ですので,破産手続をする際,預金がある場合は即座に依頼した弁護士の預り金口座に預ける,弁護士に依頼後に売上金の入金等が予定されている場合は入金先を依頼した弁護士の預り金口座にする等税務署や銀行に資金を奪われないように工夫する必要があります。

⑷ 会社の施設内に在庫等の資産がある場合は早く破産申立てをする

買掛先に未払の外注費用や購入費用がある場合,その買掛先も破産の対象となります。この買掛先の気性が荒いような場合,債権を回収するために会社施設に乗り込まれて会社資産が奪われる可能性があります。このような可能性がある場合は,買掛先が破産の事実を知る前に依頼の時点から一刻も早く裁判所に破産申立てをする必要があります。裁判所に破産申立てをして破産の開始決定が出るためには直近二期分の決算書類や通帳・保険解約返戻金証明書・車検証等の資料の提出が必要になりますので,弁護士が提出依頼をした資料は即座に収集して提出していただく必要があります。なお,会社に散財しては困る程の資産がない場合とか対応困難と予想される買掛先がいない場合は,そこまで申立てを急がず,依頼された弁護士の方で色々調査をしてから裁判所に破産申立てをする形になるかと思います。

⑸ 代表者の破産はどうするか

法人の負債につき代表者個人がその保証人となっていることが多いかと思います。そのため,法人が破産をした場合,代表者個人も破産妥当な場合が多いかと思います。東京地裁は原則法人・代表者の破産同時申立てが必要となっていますが,仙台地裁の場合は同時申立てが必要とはなっていません(もっとも,法人の金員が代表者個人の口座に流れる・代表者個人の金員が法人口座に流れる等会社規模が小さければ小さい程法人の資産と代表者の資産がごちゃ混ぜになっている可能性が高いので,基本は同時に申立てをした方がいいです)。代表者個人も原則管財事件となり,予納金として10万から20万円は少なくとも負担する必要があります。この代表者個人の予納金の準備が即座に難しければ,法人のみの申立てを先行して,予納金が貯まり次第代表者個人も破産申立てをする流れでいいと思います。なお,代表者個人の負債として住宅ローンがあり,住宅ローンを除く総負債額が5000万円未満である場合は住宅を維持するために破産ではなく個人再生の申立てをする場合もありえます。

⑹ 特定の者だけに返済をしないこと

弁護士に破産の相談した後,特定の誰かだけに特別に返済はしないでください。偏頗弁済という形で破産手続を進めるうえで不利になります。破産をすると決めた場合は基本すべての債権者への支払を停止してください。

 

なかなか全てを書ききれないですが,相談の時点で会社の破産を考えるにあたって重要な点は以上になります。会社や個人の方の破産の相談は無料となりますので,破産を考えられている方は一度ご相談いただければと思います。

 

 

「国が認めた借金救済制度」の広告

GoogleやYahoo等の検索媒体,LINEやX等のSNS媒体にて多額の借金の返済に困っている方をターゲットとして「国が認めた借金救済制度」という名のもとで広告を出している弁護士事務所・司法書士事務所があります。

まず,「国が認めた借金救済制度」とありますが,その内容は「任意整理」「自己破産」「個人再生」の3択ということになります。これらの3つの手続は確かに国が認めている借金救済制度ではあるので,その広告自体が虚偽であったり,不適切なものとまではいえないと思います。

問題は,実際にどのようにあなたの借金問題を解決すべくこれらの事務所が対応しているかです。

「国が認めた借金救済制度」という広告を出している事務所は,多くのケースであなたの実際の収支状況を考慮することなく無理な任意整理を無理矢理に勧めて依頼を受けて,高額な弁護士・司法書士費用を回収した後,無理な支払条件での和解をさせています。そして,あなたが任意整理で決められた返済原資の捻出が困難と泣き出したときには地元の弁護士に対応をしてもらった方がいいと言って,あなたの借金問題の解決を最後まで責任をもって完遂しようとしないのです。

何故このようなことが起こるのでしょうか。まずは,個人再生・自己破産と異なり,任意整理は時間も手間も相対的にかからず,コスト的に弁護士・司法書士にとって割に合うのです。次に,個人再生や自己破産のイメージがあなたにとって面倒くさそう・イメージが悪い,しかし,借金業者からの督促が厳しい・返済が厳しいから何とかしなければならないという現実から収支状況的に無理のある任意整理を選択してしまうのです(任意整理の依頼をすれば,受任通知発送により業者からの督促・返済は一旦止まります)。

確かに,自動車ローンがあれば自己破産や個人再生の場合には自動車の引揚のリスクがありますし,奨学金があれば自己破産・個人再生の場合には保証人がいれば保証人に請求がいく等都合の悪い事象が生じます。しかし,任意整理の現在の傾向では,将来利息(和解後に発生する利息)を完全カットしてくれる業者も少なくなりつつあり,また,60回等の長期分割を拒否し36回分割までしか応じない業者も増えています。任意整理ではメリットが少ないケースが多々あるのです(もちろん,業者次第では現時点でもメリットのある手続でもあります)。メリットが少ないにもかかわらず,収支状況的に無理な任意整理を進めた結果(弁護士などに無理矢理勧められた結果),任意整理が頓挫し,結局は破産や個人再生に方針変更せざるをえない場合が多いのです。結局破産に方針変更する以上は破産等で生じるデメリットを享受しなければならない現実は変わりません。それどころか無理な任意整理を進めたせいで本来不要であるはずの任意整理の費用や返済金を無駄に失うことになるのです。そのお金を計算してみてください。数十万円以上と高額な金額になるのではないでしょうか。その高額なお金を失うのと当時に結局は破産や個人再生で生じるデメリットを享受することになるのです。であれば,最初から自己破産や個人再生で進めた方がよかったのではないでしょうか。

 

①「国が認めた借金救済制度」という広告を出している事務所で避けた方がいいケース

⑴LINEのみのやり取りしかしておらず,一度も弁護士と面会してない

⑵任意整理の話しか詳しくされない

⑶事務所を訪問しても事務員としかほとんど話をしておらず,弁護士との面会時間が短時間である

⑷司法書士なのに140万円以上の案件を広告で集客している

まず,すべての弁護士は債務整理規程により依頼人と直接会うように義務づけられています。⑴はそれに違反しており,言語同断です。⑴・⑶ですが,あなたの借金問題は弁護士と一度も会わなくてもいい,事務員に話をほとんど聞いてもらうだけでいいような軽い問題なのでしょうか。⑵ですが,通常はメリット・デメリット踏まえて個人再生・破産の話をすべき案件はそうすべきであり,それにもかかわらず任意整理の話をしないのはその事務所側があなたの問題を真剣に解決する意思のない証左です。⑷は法的に司法書士は140万円以上の案件は扱えないと決まっているので,そのような案件を集客していることがおかしいです。

ですので,このような事象が生じている事務所には債務整理の依頼はされない方がいいと思います。

 

➁「国が認めた借金救済制度」という広告を出している事務所に依頼して任意整理が頓挫した場合

過ぎたことはもう仕方がないので,早急に無理をして任意整理を続行しようとせず,当事務所の借金無料相談をご利用いただければと思います。

自己破産での預金口座や保険の申告漏れ

自己破産をする場合,裁判所に自身が保有する銀行口座・保険(生命保険や自動車保険等)を正確に申告する必要があります。

銀行口座等の申告漏れがあり,後日何らかのきっかけで未申告の口座等が裁判所に発覚した場合,財産隠匿として破産法252条1項1号の免責不許可事由に該当すると評価される可能性があります。また,裁判所にはあらかじめ自由財産の拡張といって銀行口座中の預金を維持したい旨の意思表示をするわけですが,未申告の口座内の預金についてはその意思表示をしておらず,発覚してから維持したい旨の意思表示をしてもそれが認められないリスクがあります。

このようなリスクを回避するために以下の点を意識いただければと思います(当事務所の方でも確認はします)。

①給与振込口座はどこの口座か

➁家賃の引落口座はどこか

③水道・電気・ガスの引落口座はどこか

④携帯電話の引落口座はどこか

⑤児童手当や年金の振込口座はどこか

⑥各債権者への返済のための引落口座はどこか

⑦保険料の引落口座はどこか

⑧通帳から引き落とされている保険料に対応する保険の保険証券はあるか

⑨住宅の火災保険・地震保険・団信保険は失念していないか

 

自己破産の相談は当事務所の借金無料相談を利用いただければと思います。

 

自己破産をした場合に個人事業の継続は可能か

個人事業をされている方も多額の借金の返済ができず,収支状況的に自己破産を選択しなければならない場合が多々あります。

では,自己破産をした場合に個人事業の継続はできるのでしょうか。

⑴高額な事業資産(什器備品・在庫)がある場合

高額な事業資産がある場合,それを裁判所から選任される管財人が売却してそれにより得た金員で各債権者への配当を検討する形になります。この売却対象となる事業資産が事業の運営継続に必須である場合は事実上個人事業の継続は困難となります。他方,事業資産が無価値に等しい場合,売却対象となる資産が事業存続に影響しない場合は,個人事業の継続は可能となります。

⑵買掛金取引がある場合

買掛取引がある場合,買掛先は破産手続において借入先の消費者金融業者やクレジットカード業者と同じ扱いをしなければなりません。具体的には,買掛先に破産手続をする旨の通知をする,以降の買掛金の返済ができないという処理をします。このような処理をすれば買掛先との信頼関係は破壊され,取引の継続は難しくなるでしょう。これが事業の継続に深刻な影響を与える場合は個人事業の継続が事実上困難となります。他方,買掛取引がない場合や買掛先がそれでも取引を継続してくれる場合は個人事業の継続は可能となります。

⑶外注や雇用をしている場合

上記⑵と同様の処理になります。破産手続中は雇用や外注は難しくなりますので,それにより仕事が回らなくなるのであれば,手続中も外注等が可能とされる余地のある個人再生を検討していく形になります。

⑷高額な売掛先がある場合

⑴と同様,管財人が売掛先から回収を図り債権者への配当を検討する流れになります。売掛金を管財人に回収されると事業どころか生活の維持が困難となりますので,金額次第では給与と同様生活維持に不可欠という理屈で自由財産拡張により一定額の売掛金を維持できる可能性があります。

⑸店舗がある場合

店舗の賃貸借契約の継続は管財人が判断しますので,同契約が解除され,店舗での営業が困難になります。

 

以上のいずれにも該当しない場合,例えば,建設土木事業の一人親方やウーバーイーツ等では破産手続中・後も問題なく個人事業を継続できる可能性が高いです。

このように破産手続についての詳細な相談は当事務所の借金無料相談を利用いただければと思います。

住宅ローンを他の借入金の返済に費消した場合の個人再生

住宅ローン有の住宅を維持しながら多額の負債の支払対応をするには個人再生を検討すべきことが多いです。自己破産であれば,親戚等による買い取り等の特殊事情がない限り,自宅の維持ができないからです。任意整理の場合も住宅の維持は可能ですが,そもそも月の返済額の負担が大きいままで抜本的な解決にならないことが多いからです。

この住宅ローンがある場合に個人再生をしていくためには色々要件はありますが,住宅ローンの目的使途が建物や宅地の購入・リフォーム・住宅ローンの借換であるといえなければこの個人再生はできないことになります。

ただ,住宅ローンを組むにあたって銀行等からの勧めもあり,住宅ローンを組んだ際に存在していた自動車ローンやカードローンの返済をこの住宅ローンをもってされている方もいるかと思います。このような場合,前述した要件を満たさず,個人再生ができず,住宅を維持できないという結論になるのでしょうか。

 

①自動車ローンやカードローンの返済が住宅ローン全体に占める割合の10%以内であること

令和6年9月時点では裁判所の運用上,住宅ローンによる自動車ローンやカードローンの返済の金額が住宅ローン全体額のうち10%以内であれば,住宅ローンの目的使途が建物や宅地の購入・リフォームであると評価できるとされ,住宅ローンを支払いながら(住宅を維持しながら)個人再生をすることは可能になります。

この10%以内であることを裁判所に説明するための資料として住宅ローンの申込書が有用なことが多いです。申込書が手元にない場合は住宅ローン債権者から提出の依頼をします。

 

➁別除権協定の検討

自動車ローンやカードローンの返済の金額が住宅ローン全体額の10%を超える場合は,これまで述べてきた住宅ローンを支払いにながら(住宅を維持しながら)個人再生をするという住宅資金特別条項の利用ができないことになります。当事務所では13%のケースでこの住宅資金特別条項の利用を前提とした個人再生をしたことがありますが,結果として裁判所には認められませんでした。

このようなケースでは別除権協定というものを最後に検討する形になります。詳細は割愛しますが,事実上住宅ローン相当額を住宅ローン債権者に支払いながら(住宅を維持しながら)個人再生をすることができます。このような別除権協定は簡単に認められるでしょうか。

⑴被担保目的物である住宅や宅地の査定額が住宅ローンの金額を上回っていること(アンダーローンであること)

⑵住宅が家族の生活の本拠地であり,住宅維持が家族の生活維持のために必須であること

⑶住宅ローンの月返済約定額を住宅ローン債権者に支払っても個人再生の結果に影響が生じないこと

⑷住宅ローン債権者とその保証会社が別除権協定に同意すること

以上の要件を充足していければ,別除権協定により住宅を維持できる可能性がでてきます。ただ,⑴の住宅の査定額についてはコントロールが難しいところであり,⑷の住宅ローン債権者の同意についても,例えば地銀の何社かは同意をしてくれません。別除権協定は中々難しい場合が多いです。

 

住宅を維持するために個人再生(住宅資金特別条項付)の検討をされている方は,当事務所の借金無料相談をご利用いただければと思います。

住宅ローン有の住宅を維持するための個人再生の可否

住宅ローンとは別に数百万円以上の借入金がある場合は個人再生を検討した方がよい場合が多いです。

自己破産だと住宅ローンも破産の対象となり,親戚に買い取りをしてもらう等の特殊な状況でない限り,住宅の維持はできないです。

任意整理だと住宅ローンを整理の対象外にするので住宅を維持できますが,最近は36回分割しか債権者が応じない等任意整理をしても月の負担がそれほど減らず,

抜本的な解決にならない場合が多々あります。

そこで,住宅ローンを支払いながらその他の負債を減縮する個人再生が住宅を維持するための手段として検討していくことになります。

 

具体的には下記の場合に住宅ローン有の住宅を維持しながら個人再生ができる形になります。

①住宅ローン対象の建物が自己の所有物であること(持分〇分の1でも共有していること)

➁建物や宅地に住宅ローン以外の抵当権が設定されていないこと

③住宅ローンの目的・使途が建物・宅地購入,リフォーム,住宅ローンの借換であること

④減縮した負債額を36回から60回で支払えること

 

①と➁の要件については法務局で取得できる自宅と宅地の全部履歴事項証明書を取得すれば確認できます。

③の要件については住宅ローンを組んでいる銀行等との金銭消費貸借契約書で確認できます。

④の要件については住宅ローン以外の総負債額・自身が所持している資産の金額から判断できます。

 

いずれの要件もご自身で判断することが難しいと思いますので,法務局で取得した全部履歴事項証明書や銀行との住宅ローン契約書,自宅の査定書等の資料を可能であればご準備いただいたうえで一度当事務所の借金無料相談をご利用していただればと思います。