コラム

親の死後に突然に親の借入金の返済請求をされた場合の対応

例えば,父の死亡後には特に資産・債務もないと考えていたが,父の死後6年経過して突然に業者から〇万円を返済してくださいと父の借金の返済請求がくるケースがあります。

まず,原則として父の死亡によりその配偶者や子等の相続人は父の借金も相続することになりますから,業者に対して父の借金の返済をしなければなりません。

しかし,父の死亡から6年が経過したとしても相続放棄により借金の返済が免れられる場合があります。

相続放棄の申述は,「自己が相続人であることを知ったときから3ヶ月」の間に限り行うことができます。この「自己が相続人であることを知ったとき」とは,相続開始の事実と自己が相続人となった事実を知ったときですが,特別な事情がある場合に,申述期間の起算点が遅くなることがあります。その「特別な事情」の一つが、3ヶ月以内に相続放棄をしなかった理由が被相続人に相続財産が全くないと信じたためであり,被相続人の生活歴・被相続人と相続人の交際状態その他諸般の状況からみて相続財産の有無の調査を期待することが著しく困難な事情があって,相続人に相続財産がないと信じたことについて相当な理由がある場合です。このときには、3ヶ月の申述期間の起算点は、相続人が相続財産の全部または一部の存在を認識したときとなります。

上記の場合、父親が亡くなったのは6年前であり,一見すると申述期間を徒過しているように思えます。しかしながら,父親の生前の生活状況・父子の関係等の事情から,ご相談者が,母親に相続財産がないと信じたことについて相当な理由がある場合には,裁判所に対してその旨の説明をして,父親の負債を知った日から3ヶ月以内に相続放棄の申述をすれば,相続放棄が認められる余地があります。

仮に,相続放棄ができないとしても,支払停止から5年以上経過している場合は消滅時効の援用で返済を免れる場合があります(ただし,信用金庫からの借入等について消滅時効の期間が10年のケースもありますのでご注意ください)。

この件の相談の相談料は無料
弁護士費用は11万円 + 債権者数 × 4.4万円となります。