コラム

破産をする会社に未完成の工事が残っている場合

建設・土木・塗装・外構・太陽光パネル設置・解体業者が法人・会社破産をする場合,破産をする時点で請け負っていた工事がすべて完成していれば問題ないのですが,破産をする時点で未完成・途中の工事が残っている場合に問題は生じるのでしょうか。

破産手続において未完成の工事部分を今後どうしていくのかが問題となっていきます。破産開始決定が裁判所より出されると管財人が選任されます。この管財人が未完成の工事をどうするのか,具体的には工事を継続するのか・請負契約を解除して工事を終了させるのかという決定権を持ちます(破産法53条1項)。破産管財人がどのように決定していくかですが,建設会社等がどこまで工事をしたのか進捗を確認し,どの程度未完成なのか,工事に要する材料や器具・工事に携わる人員を現実的に準備して工事の継続が可能なのか,工事を継続した場合にかかる時間・コストと工事継続により得られる報酬の金額を考慮して,工事を継続するかどうかを決定していく形になります。

工事を継続するという判断を管財人がした場合,裁判所の許可がまずは必要となります。裁判所の許可が出たときに,管財人は,破産会社の従業員に破産財団(破産時点の会社の資産)から給与を払ったり,下請け業者に外注費を破産財団から支払って工事を完成させていくことになります。なお,下請け会社に注文者と直接契約をしてもらい,工事を続行するといった調整がなされることが多いような気がします。

ほとんどのケースでは破産管財人は工事の請負契約の解除を選択することになるかと思います。このような選択を取った場合,破産法54条2項により,工事の注文者は前払金を支払っていればその返金を要求してくるケースがあります。また,工事が未完成のまま契約解除になったことで損害が生じれば,注文者側は損害賠償請求を行使できる可能性があります。他方,建設会社等が途中まで工事を完成させててそれ自体に価値が認められるような場合,破産管財人は出来高部分の報酬を工事の注文者にできる可能性があります。破産管財人がこの報酬請求を注文者にしていく場合,注文者側としては前払金の返金・損害賠償請求をしたり,報酬の金額の正当性につきクレームをいってくる可能性があります。多くのケースでは交渉を進めて注文者側と和解で解決していく形になるかと思います。

ここまで述べたとおり,未完成の工事がある場合,管財人としては注文者側との交渉等少なくはない負担がかかる可能性があります。ここで建設業者等に生じる具体的な影響を述べていきたいと思いますが,未完成の工事数が多ければ多いほど管財人の労力も多大になっていきますので,破産申立ての際に準備すべき費用である予納金の金額が通常のケースと比較して高額になっていく可能性があります。当然ながら破産をする場合,注文者に迷惑がかかりますし,下請け業者にも迷惑がかかります。ですので,理想は仕掛中の工事はできるだけ完成させてから、破産手続を開始させることが望ましいと言えます。やむをえず,未完成の工事がある状態で破産申立てをする場合でも,未完成部分の工事の有無や内容,規模,完成の程度などを確認できる資料や情報をあらかじめ整理しておく必要があります。

建設・土木・塗装・太陽光パネル設置・解体業者が法人・会社破産をする場合,色々考えるべきポイントがありますので,一度弁護士との無料相談をご利用された方がいいです。