コラム

投資(株式・仮想通貨・FX・先物取引)を理由とした自己破産

令和2年3月頃のコロナショックにより世界各国の株等は暴落しましたが,その後世界各国の中央銀行の金融緩和政策の効果等により

株価は順調に回復をし,令和3年1月時点ではダウ平均・ナスダック・日経平均・ビットコイン等コロナショック以前より高値をつけている状況です。

このような状況からすれば,動機は様々でしょうが,株・仮想通貨・先物取引等の投資をしようと考えるのも当然かと思います。

現在も猛威をふるうコロナウィルスによる今後の経済の影響等を考えれば,自身の資産・収入状況から合理的な範囲での投資は弁護士である私としても

すべきと考えていますし,責められる理由は何らありません。浪費ですらないと私は考えます。

問題は自身の収入・資産からして無茶な取引をした結果(信用取引・レバレッジ等),資産を失い,結果として借入金の返済ができなくなったケースです。

このような場合,問題なく自己破産はできるのでしょうか。

① 自身の資産・収入状況から合理的な範囲での投資

自己破産の前提として支払不能要件を満たす必要があるので,自身の収入状況から借入金の返済が不可能という場合のみ自己破産の検討をします。

先ほど述べた通り,自身の資産・収入状況から合理的な範囲での投資浪費等の悪質な行為でありませんから,そもそも免責不許可事由ではなく問題なく自己破産が可能かと思います。

仮に裁判所から免責不許可事由ではないかという指摘があったとしても,悪質性の低さから問題なく裁量免責がされる可能性が高いかと思います。

自己破産をするにあたっては,まずは自身の資産・収入状況から無理のない投資であったと主張していくことになります。

② 無茶な信用取引・借入等を原資とした投資による自己破産

自身の収入状況・資産からして無茶な投資行為と評価される場合,免責不許可事由(浪費・射幸行為)と評価されることになりますから,簡易管財事件として進行することになります。

簡易管財事件の場合,現金・預貯金合計額が33万円を越える場合やその他の資産の額が20万円を超える場合は弁護士費用の他に予納金として20万円を負担する必要があります。

資産がなく,単に投資行為に関する調査のみ問題になる場合は,予納金として10万円を負担する必要があります。

簡易管財事件として進行するとして,実際に免責(借入金がゼロになる)されるのでしょうか。

当方が実際に扱った案件として,「負債が600万円程度あったところ,退職金が700万円支給された。ところが,退職金を返済に充てず,すべて先物取引に費消したが

失敗して退職金のほとんどを失った。職も失ったので,600万円の負債の返済ができなくなりどうしたらいいか」というものがありました。

結果は,自己破産で受任をして簡易管財事件として進行はしましたが,免責許可(借金がゼロになる)という結果で終結しました。

免責許可の前提として,当方に依頼をして以降は投資を含めた一切の浪費行為を止めて,収入の範囲内で慎ましく生活ができることを対外的に示すことです。

なお,家計の余剰があり一定の返済能力がある方は自己破産ではなく個人再生の選択が無難な場合もあります。

 

無理な投資で失敗をして借入金の返済ができなくなった方も一度自己破産を含めて当方の無料相談をご利用していただければと思います。