コラム

「国が認めた借金救済制度」の広告

GoogleやYahoo等の検索媒体,LINEやX等のSNS媒体にて多額の借金の返済に困っている方をターゲットとして「国が認めた借金救済制度」という名のもとで広告を出している弁護士事務所・司法書士事務所があります。

まず,「国が認めた借金救済制度」とありますが,その内容は「任意整理」「自己破産」「個人再生」の3択ということになります。これらの3つの手続は確かに国が認めている借金救済制度ではあるので,その広告自体が虚偽であったり,不適切なものとまではいえないと思います。

問題は,実際にどのようにあなたの借金問題を解決すべくこれらの事務所が対応しているかです。

「国が認めた借金救済制度」という広告を出している事務所は,多くのケースであなたの実際の収支状況を考慮することなく無理な任意整理を無理矢理に勧めて依頼を受けて,高額な弁護士・司法書士費用を回収した後,無理な支払条件での和解をさせています。そして,あなたが任意整理で決められた返済原資の捻出が困難と泣き出したときには地元の弁護士に対応をしてもらった方がいいと言って,あなたの借金問題の解決を最後まで責任をもって完遂しようとしないのです。

何故このようなことが起こるのでしょうか。まずは,個人再生・自己破産と異なり,任意整理は時間も手間も相対的にかからず,コスト的に弁護士・司法書士にとって割に合うのです。次に,個人再生や自己破産のイメージがあなたにとって面倒くさそう・イメージが悪い,しかし,借金業者からの督促が厳しい・返済が厳しいから何とかしなければならないという現実から収支状況的に無理のある任意整理を選択してしまうのです(任意整理の依頼をすれば,受任通知発送により業者からの督促・返済は一旦止まります)。

確かに,自動車ローンがあれば自己破産や個人再生の場合には自動車の引揚のリスクがありますし,奨学金があれば自己破産・個人再生の場合には保証人がいれば保証人に請求がいく等都合の悪い事象が生じます。しかし,任意整理の現在の傾向では,将来利息(和解後に発生する利息)を完全カットしてくれる業者も少なくなりつつあり,また,60回等の長期分割を拒否し36回分割までしか応じない業者も増えています。任意整理ではメリットが少ないケースが多々あるのです(もちろん,業者次第では現時点でもメリットのある手続でもあります)。メリットが少ないにもかかわらず,収支状況的に無理な任意整理を進めた結果(弁護士などに無理矢理勧められた結果),任意整理が頓挫し,結局は破産や個人再生に方針変更せざるをえない場合が多いのです。結局破産に方針変更する以上は破産等で生じるデメリットを享受しなければならない現実は変わりません。それどころか無理な任意整理を進めたせいで本来不要であるはずの任意整理の費用や返済金を無駄に失うことになるのです。そのお金を計算してみてください。数十万円以上と高額な金額になるのではないでしょうか。その高額なお金を失うのと当時に結局は破産や個人再生で生じるデメリットを享受することになるのです。であれば,最初から自己破産や個人再生で進めた方がよかったのではないでしょうか。

 

①「国が認めた借金救済制度」という広告を出している事務所で避けた方がいいケース

⑴LINEのみのやり取りしかしておらず,一度も弁護士と面会してない

⑵任意整理の話しか詳しくされない

⑶事務所を訪問しても事務員としかほとんど話をしておらず,弁護士との面会時間が短時間である

⑷司法書士なのに140万円以上の案件を広告で集客している

まず,すべての弁護士は債務整理規程により依頼人と直接会うように義務づけられています。⑴はそれに違反しており,言語同断です。⑴・⑶ですが,あなたの借金問題は弁護士と一度も会わなくてもいい,事務員に話をほとんど聞いてもらうだけでいいような軽い問題なのでしょうか。⑵ですが,通常はメリット・デメリット踏まえて個人再生・破産の話をすべき案件はそうすべきであり,それにもかかわらず任意整理の話をしないのはその事務所側があなたの問題を真剣に解決する意思のない証左です。⑷は法的に司法書士は140万円以上の案件は扱えないと決まっているので,そのような案件を集客していることがおかしいです。

ですので,このような事象が生じている事務所には債務整理の依頼はされない方がいいと思います。

 

➁「国が認めた借金救済制度」という広告を出している事務所に依頼して任意整理が頓挫した場合

過ぎたことはもう仕方がないので,早急に無理をして任意整理を続行しようとせず,当事務所の借金無料相談をご利用いただければと思います。

税金を滞納しているのに借金の返済をしている方へ

私が相談を受けている方の中に健康保険料・国民年金・住民税・固定資産税・自動車税等の税金関係を滞納しているにもかかわらず,税金関係の滞納解消をしようとせず消費者金融・銀行・信販会社からの借入金の返済を優先されている方がいます(税金を滞納しているにもかかわらず,借入金を借入金で返済し,税金関係は放置されている方もいます)。

破産法253条1項1号により税金は破産免責の対象になりません。破産を選択すれば,消費者金融・銀行・信販会社からの借入はよほど悪質な事情がない限り払わなくていいことになります。しかし,税金については破産を選択しても全額そのまま支払う義務が残るのです。税金の支払と借入金の返済が両立ができない時点で支払不能として債務整理を検討すべきタイミングなのですが,多くの人はこのタイミングを逸して親族からの援助金や賞与で借入金の返済に充ててしまっています。債務整理をすれば借入金の返済の負担が軽くなるにもかかわらずにです。他方,税金については破産をしても支払義務が残るだけではなく,これを放置しておくと,国税徴収法に基づき自身の資産が差し押さえられてしまうリスクがあります。税金を支払えない状態であるにもかかわらず,借入金の返済を自転車操業の状態で継続することは経済的に不合理な行為なのです。

借金の返済がきつくなり,かつ,税金の滞納も生じてしまったいる方は,まずは弁護士にご相談ください。

ご家族の借金問題で悩まれている方へ

1 ご家族の連帯保証人になっている場合

ご家族の借入れの連帯保証人になっている場合、返済が止まってしまうと保証人に請求がきてしまいます。このように保証人になっていない限りはご家族の借金であっても請求が来ることはありませんので、たとえ請求がきたとしても拒むことができます。
また、ご家族が自己破産や個人再生をした場合には残額についての請求がきますので、状況についてはきちんと確認しておいたほうがよいでしょう。本人に確認する以外にも、連帯保証人であれば残高の通知等が届くこともありますので、きちんと確認しておいてください。
このように連帯保証人となっている場合以外には、家族の借金であっても関係ありません。よく「連帯保証人には絶対になるな」と言われているのはこのような理由からだと考えられます。

 

2 借金している家族の相続人である場合

相続が発生し、相続放棄等の手続をとらない場合には借金についても相続してしまうことになるので、この場合にもご家族の借入れの状況をきちんと確認しておく必要があります。そして、財産よりも借金のほうが多いという場合には相続放棄をするという手続をすることが考えられます。
遠方に住んでいる親戚の相続であるとか、しばらく行方が分からなくなってしまっていた親戚などの相続をする場合で、財産状況が不明な場合には、相続放棄をするかどうかを決めるために、すぐに財産の調査をする必要があります。相続放棄は自分が相続をすることを知ってから3ヶ月以内にしなければなりませんので、その期限には注意が必要です。
このように、相続については借金まで引き継いでしまうというリスクもあるので、亡くなった人のことをきちんと知ってから、責任をもって遺産を相続するという気持ちも大事になってくるといえるでしょう。