コラム

債務整理を検討されている方で勤務先に借入がある場合

多額の借金があって債務整理を検討されている方の中には勤務先から借入をされている方がいらっしゃるかもしれません。勤務先からの借入は債務整理においてどのような取り扱いになるのでしょうか。

まず,任意整理を選択する場合は,勤務先を整理の対象として勤務先に弁護士が通知を送る(介入する)という選択肢を取らないことが多いので,勤務先に弁護士が連絡を取るようなことはありません。

しかし,任意整理を選択する絶対条件として勤務先からの借入の返済(通常は給与天引きになっているでしょうが)を含めて,収入・収支のバランスから問題なく返済ができることが必要です。任意整理における返済が困難である場合は個人再生又は自己破産を選択することになります。

自己破産や個人再生の場合は残念ながら勤務先に介入せざるをえず,弁護士から勤務先に債務整理を開始したという通知を送ることになります。ですので,会社には債務整理をしていることや債務整理をする程に借金をしていることが発覚します。なお,勤務先からの借入の存在を隠したまま個人再生や自己破産を進めようとされる方も稀にいますが,手続において給与明細書を裁判所に提出する必要があり,給与明細書に借入金返済の痕跡(例えば,返済金という費目)がありますから,隠しても後から発覚してしまうことが多いです。免責不許可事由として虚偽の債権者名簿の提出(破産法252条1項7号)が挙げられますが,要するに勤務先からの借入を隠すことは破産免責において借金がゼロにならない事情になりますので,注意が必要です。